爽田こすもの『異星にいこうね』カバーは、静かに始まって静かに残るタイプの一本だった。いよわ楽曲の持つ少し浮いた感じを、透明感のある歌声で丁寧に受け止めていて、最初から最後まで空気が崩れない。派手な演出より、音の気持ちよさで押してくる。

原曲の個性が強いぶん、歌い方のバランスが少しでもずれると曲の印象が変わりやすいが、このカバーはその揺れが少ない。爽田こすもの声が軽やかに乗ることで、曲の不思議な浮遊感がきれいにまとまり、聞き終わったあとに余韻が残る。

浮遊感を壊さない聞かせ方

この動画の面白さは、歌の主張を強くしすぎないところにある。音が前に出る場面でも、全体の空気を壊さずに進むので、曲の雰囲気をそのまま味わいやすい。カバーとしては控えめに見えて、実際にはかなり完成度が高い。

FIRST STAGE PRODUCTION の中でも、爽田こすもは軽さと聞きやすさを両立しやすいタイプだが、今回はその持ち味がかなり分かりやすい。テンポの良い曲よりも、こういう少し浮遊感のある楽曲で強みが出るのがよく分かる一本だった。

何度か聞き返したくなるタイプ

一回で全部を掴むというより、聞くたびに少しずつ印象が変わるのもいいところだ。曲の輪郭がすっと入ってくるので、作業の合間や夜に軽く流す用途にも向いている。派手な盛り上がりより、静かに気分を整える方向のカバーとして使いやすい。

この手の楽曲は、歌い手の個性が出にくいと思われがちだが、爽田こすも版はちゃんと残るものがある。声の透明感と曲の不思議さが合っているので、ゆっくり見たい人ほど相性が良い。