兎田ぺこらが2026年2月14日に公開した『ラブノカサブタ』は、タイトルのかわいさに油断して再生すると、そのまま勢いで持っていかれるタイプのMVだった。配信開始案内と同時に投げ込まれた一本で、バレンタインの空気をうまく使いながら、ぺこららしい元気さをしっかり前に出している。

作詞作曲はDECO*27、編曲はHayato Yamamoto。クレジットを見ただけでもポップに強い布陣だが、実際に聞くとサビの抜け方がかなりわかりやすく、最初の一回で耳に残る。兎田ぺこらの声は勢いが強いぶん、少し転がるようなメロディと相性がよく、軽く跳ねる曲調でもちゃんと主役の押し出しがある。

バレンタイン公開に似合うポップさ

『ラブノカサブタ』は、甘いだけのラブソングというより、照れや勢い込みで一気に距離を詰めてくるようなテンションが気持ちいい。2月14日公開という時点でテーマは見えやすいが、ぺこらの歌い方が真面目すぎず、少しやんちゃな温度を残しているので、軽快に聞ける。

そのバランスがちょうどよくて、かわいい路線に寄り切りすぎないのがいい。普段の配信で見せる元気な押しや、企画で先頭を走る時の勢いが、MVではそのままポップソングの推進力になっている。ホロライブの音楽まわりを追っている人ならもちろん、ぺこらの歌をあまり聞いてこなかった人にも入りやすいタイプだ。

MVの画づくりも素直に見やすい

映像側はDirectorにDECO*27、Movieに臼水、イラストに形状と、全体の輪郭がかなりはっきりしている。色づかいも明るく、歌詞の流れと画面の切り替えがテンポよく進むので、3分弱がかなり短く感じる。タイトルにある「カサブタ」の少し引っかかる言葉を、重くせずポップに処理しているのも見やすいところだ。

ロゴやリリックデザインまでしっかり整理されていて、サムネから本編までの一体感も強い。歌だけで押すのではなく、最初の数秒から「今回はMVとして楽しんでほしい」という作りになっているので、音楽動画としての完成度も高い。

ぺこらの新曲としてかなり渡しやすい一本

ぺこらの曲は、にぎやかな企画感が強いものも多いが、『ラブノカサブタ』はその中でもかなり真っすぐ聞かせるタイプだと思う。変にひねらず、サビの強さと声の明るさで押し切ってくるので、一回で印象を掴みやすい。バレンタイン公開の話題性もあって、後から追いかけても入りやすい新曲だ。

配信開始の導線として見るだけでなく、普通に繰り返し聞きたくなるポップソングとしても手触りがいい。ホロライブの最近の音楽トピックをまとめて追うなら、この曲も押さえておきたい一本だった。