星街すいせいと宝鐘マリンが2026年2月28日に公開した『Chatter Chatter』は、タイトルからして強いが、見てみると想像以上に勢いで押し切ってくるMVだった。噂話や視線を正面から受け止めるというより、そんなものは軽く追い抜いて次へ行く、というテンションで走り切る。曲の芯が最初からはっきりしているので、4分台でもかなり印象が残る。
いちばん気持ちいいのは、星街すいせいと宝鐘マリンの声の当たり方がしっかり違うことだ。すいせいのまっすぐ前へ抜ける感じと、マリンの押し出しの強さがぶつかることで、ユニット曲というより“この2人だから成立する掛け合い”になっている。サビの押し上げ方も強く、聴いていて素直にテンションが上がる。
アニメMVとしての勢いがかなり強い
MVはアニメーションの動きが細かく、止め絵で雰囲気を作るというより、次々に画を切り替えながら前へ押していく作りだ。概要欄には key animator や art director、choreographer までかなり細かくクレジットが並んでいて、映像作品としてしっかり力を入れているのがわかる。見ている側も「曲を聴く」だけで終わらず、画の圧に引っ張られる。
特に相性がいいのは、ゴシップや噂話をはね返すような歌詞と、アニメMVらしい誇張の効いた見せ方だ。きつい言葉を重たく見せるのではなく、スタイルの強さに変えて前進する感じがあって、終始テンポがいい。大げさなくらいのポーズや視線の切り替えも、この曲ではちゃんとハマっている。
すいせいとマリンの組み合わせだから出る温度
この曲は、仲の良さを前面に出すというより、並んだ時の強さそのものを見せるタイプのコラボに見える。すいせい側のスター感と、マリン側の派手な押しの強さが同じ画面に入ると、どちらかが埋もれるのではなく、むしろ相手の輪郭が見えやすくなる。サビで一気に抜ける感じも、その相乗効果が大きい。
歌だけでなく、ダンスモーション配布や公式振付師のダンス動画案内まで概要欄で用意されているので、MV公開で終わりではなく、周辺の楽しみ方まで広げる設計になっているのもいい。公開直後の一曲として触るだけでも楽しいし、二次創作やダンス方面まで含めて長く話題が続きそうな出し方だ。
まず一本見たい時にも渡しやすい新曲
『Chatter Chatter』は、星街すいせいや宝鐘マリンを普段から追っている人にはもちろん、最近ホロライブの音楽まわりを見始めた人にもかなり渡しやすい。曲のわかりやすさ、映像の派手さ、掛け合いの気持ちよさが最初の一回で伝わるので、入口として強い。
ふたりの新曲として見ても、ホロライブのアニメMVとして見ても、かなり手触りのいい一本だった。公開済みの曲を後追いで掘る人でも見やすいので、最近の音楽系トピックを押さえたいならまず触っておきたいMVだ。
