桜花さくらの『summertime』カバーは、夏の気配をぎゅっと詰め込むのではなく、風通しよく入れてくる感じが気持ちいい一本だった。爺童丸とのデュエットになっていることで、声の重なり方にもやわらかい対話感がある。暑さの前の少し軽い空気がそのまま残る。
カバーとしての魅力は、声を前に押し出しすぎず、曲の気分を壊さないところにある。原曲の持つ涼しさや軽さを守りながら、それぞれの声色の違いで少しだけ色を変えているので、聞き比べる楽しさもある。派手に盛らず、自然にまとめる方向が合っている。
デュエットの距離感がちょうどいい
この動画は、ふたりの声が近すぎず遠すぎず並んでいるのがいい。片方が前に出すぎると夏の抜け感が崩れやすいが、今回はそのバランスが丁寧に保たれている。結果として、曲の持つやわらかい明るさが素直に届く。
桜花さくらは、こういう季節感のある楽曲で見せ方がかなり分かりやすい。声の抜けがきれいなので、日常の中で流しても映えるし、少し気分を変えたい時にも聞きやすい。コラボ相手との相性も自然で、MVとしてのまとまりが良い。
夏曲としての入口が広い
『summertime』は定番寄りの曲だからこそ、歌い手の色が出やすいが、このカバーはその個性を出しすぎずに楽しませる。夏っぽい曲を軽く聞きたい人にも、桜花さくらの歌を追いたい人にも入りやすい。コラボの空気感がそのまま見どころになっている。
ゆーりんプロの中でも、こういう柔らかいデュエットは相性が良い。季節が進む前に何度か聞き返したくなる、気持ちのいい公開だった。
